2008/04/15

建築法規の勉強とは

建築法規のレポート作成中。

第1課題は一般的な木造住宅に関する法規とその内容をまとめると言う課題だ。そうなると建築基準法の第2章の単体規定を端から全て読み、関係ありそうな部分を抽出し、そこから基準法とは別にある施行令、その下の国土交通大臣告示あたりまで全て目を通すという"作業"が必要になるようだ。これはけっこう大変だ。

ポジティブな見方をすれば、初めて建築を学ぶのだから一度はそう言う面倒な事をしておけとの親心なのだろう。そんなわけでありがたくやらせていただいている。


それにしても法律の文章はわかり難い。内容以前に"解読"が必要になる。面白いことに、法令集の建築法規のテキストには文章の読み方の解説が付いている。
例えば「第xx条x項...以下○○において同じ」と書かれていたら、第xx条x項には詳しい記述が全然書かれていないのでこの「○○において同じ」と書かれている条分まで戻ってその定義を確認しなければならない。あっちを単独で読んでもわからないよと言うことを示しているらしい。

さらにおかしいのは、あっちを単独で読んでわからないから「法令集には書き込みしといた方がイイよ」まで親切に書いてくれていることだ。

こんな小学生並みの記述が法令解説書に必要なのは単(ひとえ)に法律の文章がわかり難いからでしかない。そして法令の解説本がこの世に腐るほど出回っているのもそのせいだろう。大学レベルの学生にも解読できない文章ってわけなのだ。



今度裁判員制度ができたが (これは建築法規じゃない) あれは結局法律のことなんか知らない人が割りに感情的に判断するってことになるんだろう。なぜ感情的に判断せねばならないかと言うと、やはり法律は読んでもわからないものと言う感覚があって元々そんなものを読んだりはしないのが普通だからだろう。その法律が何のためにあるのかさへ知らないのだから。自分達の法律なのに、それに詳しい専門家しかわからない状態なのである。 

だから建築基準法を学ぶにも"解読"がその勉強の多くの部分を占める。これをもっと分かりやすく書かれていたら解読より実のある勉強ができるのではないかと感じもするが。 


施主となる人が家を建てるからと言って法令集買って読む事は多分ないだろう。もしそれを買って簡単に理解できたないら法律はもっとオープンで皆のものになるだろうし施主と設計と工事関係者と役所と同じ立場で話せて風通しが良くはならないだろうか。どうなのだろう。


それに建築基準法本体は選挙で選ばれた一般人代表(国会議員)が決めるが、それに付いてくる施行例や告示は適当な手続きを経ているとは言え役人が勝手に決めている。逆に言えば国民(代表)が決めている建築上の法律は建築基準法だけと言うことだ。(それもタテマエだけだろうけれど。) 告示を出してるはずの国土交通大臣だって名前を使われるだけで建築の専門家でも研究家でもマニアですら無いのだから。


建築の法規をこうした方法で学ばせてまた専門家のヒエラルキーを再生産するのが日本の社会の特徴だろう。ここでちゃんと勉強したら建築の(閉じた)階層社会の末席にありがたく座らせていただけると言うわけだ。

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