2010/04/25

デクノボウ

建築と言うのは多くの場合幾何学を使用しています。
その大きな理由の1つは、「人間は特別な存在である」と言う表現です。

幾何学の要素は自然からいだだいています。だた、それを抽出して抽象化できるのは人間しかいないと言うわけです。多くの建築家の作品や表現もその考え方に従っています。

例えば森の中に建物を建てるとそこには対比ができます。

インスブルックのスキージャンプ台(Zaha Hadid)

こう言うことです。

さて、ここで問題になるのは、この山の上に作った物がもともとそこに居た、またはあった木とかミミズに対して何かしてくれるのかと言う点です。多分何も無いか、邪魔者扱いじゃないかと思うのです。


ツルツルの建物には鳥はつかまれません。蛇も上れません。酸素も二酸化炭素も作れなければ水も供給しない。もしそれが人間だったらどうでしょう。あなたは何のためにそこにいるの? あなたは何のために生きてるの?って事になりませんか。建築は人間以外に大してデクノボウかも知れません。今まで建築はそうやって成立してきたとは言えないでしょうか。

もしこれからも人間が特別でありたいと願うなら、人間以外に対しても何らかの利点の提供者である必要があるのではないかと感じます。