2008/01/31

進級手続きが来た

進級手続きの案内が来た。
手続きと言っても学費の振込み用紙が来ただけだが。
ちゃんと額面が記載されていて面倒が無いようになっている。至れり尽くせりだ。それにしても通信の大学は学費が安い。子供のお小遣い程度なのである。

期限は3月17日となっていてまだ1ケ月半ある。早めにに来年度の事を考えよう。

とりあえず、明日2月1日からインドネシアに行ってくる。
帰国は2月22日。更新が無くなるか少なくなると思う。

2008/01/30

来年度の書類到着

来年度に必要な書類が大学から郵送されてきた。

H20年度科目概要
H20年度履修登録票

履修登録の期限は2月20日と書かれているが、その日にはまだインドネシアにいる。と言う事は明日までに決めて郵送してしまわなければならない事になる。

少し慌てる。とは言え、それほど選択肢があるわけではない。
最少取得単位数が32単位、卒業研究が8単位なので残りは24単位(14科目)、そのうちの必修科目が16単位(8科目)なので、選択で取る必要があるのは8単位(4科目)だけとなる。

これ以外にオプションで他に4単位(2科目)取る事ができるが、これは年度内に追加できるはずだから今選ぶ必要は無いだろう。


方針としては、スクーリング2科目(「建築の世界」「CADⅢ」)は取る。これは各3日間で済む科目だし、「建築の世界」は今年履修した人が楽しめると言っていたからだ。
残り2科目のうちの1つは「景観デザイン論」にしようと思う。課題と試験設題が調べて書くだけでない意見を求められる類のもののようで楽しそうだ。

もう1科目は少し悩む。建築設計Ⅱ-2は有名建築家の自邸の増築が課題となっていて、試験は無い。この課題はmixiでやっている「みんなのコンペ!」のお題を少し完成度を上げたようなもので、面白そうでもあり、厳しそうでもあり。他に選べるのは.....今夜良く考えよう。


追加
科目概要を読んでみたら「建築構造学Ⅱ」のレポートも楽しそうだとわかる。


経験者の方、アドバイスをお願いします。

2008/01/28

ボツ作品 「岩村城」再建



岐阜県に岩村と言うところがある。今でも江戸時代の街並みが残されている落ち着いたところだ。詳細はWikiや観光協会の説明に譲るとして、そこで岩村城再建を望む声があるらしい。

以前訪ねたときにその事を聞き、後に観光協会に、余計なお世話であるがこう言う提案をしたことがあった。もちろんボツであるが。

岩村城をまともに建築で再現するには相当なコストがかかる。見た目だけ江戸時代の城で中身は鉄筋コンクリートであってもやはりコストは相当だろう。そして維持費がかかる。それをクリアするだけの観光客が訪れるようPRできるかと言うと、これには別の問題がある。何しろ小さな村だ。

そこで、建物を造らないままに再建する方法を考えた。
「岩村城」通称「霧ヶ城」と言い、霧が多く発生する小高い山の上にある城である。そこから岩村全体を見下ろしていたのである。案はその霧に岩村城のCG映像を映し出す事である。つまり光の建築である。霧が発生しない場合は人工の霧を発生するのは簡単なのでディズニーランドなどで使われる方法と同じことをすれば良い。

これを年に数回、花火大会やお祭りの時に映写して楽しむのである。

観光協会からはすぐにお礼を言われたが今も再建は(実際に建築するのも、この案も)行われていないだろう。あんな良い所を訪れる人が少ないのは残念だと、今でも思っている。


岩村町観光協会
恵那市(岩村町は合併しました。)

名物
[女城主]岩村醸造株式会社
松浦軒 - STERNhomepage
岩村山荘 - "鯉の飴煮"が美味い宿


参考資料
岩村城 - 武田家の史跡探訪


大きな地図で見る

2008/01/24

ジョグジャへ

2月1日から22日までジョグジャカルタへ行くことにした。
建築史演習のレポートは無期延期にしようかと思っていたが、やはり行くことにした。妻は最初嫌がっていたので一人で行くかと思ったのだが、何だかんだ(いろいろな事情や思いがあると言うこと)で一緒に行くことにさせてしまった。(愛妻ありがとう。)今日代理店へ行き、チケットの手配をして来た。楽しんで来ようと思う。

目的はプランバナン、カラサンとボロブドゥール遺跡の調査、ジョグジャカルタの街並の調査。

スケジュールは2月1日午後に成田から台北へ。2日に台北出発し午後にジャカルタへ。2日はジャカルタ1泊。3日にバスでジョグジャへ行く予定。その後は未定。


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中華航空往復航空券21日FIX:48000円
 (但、成田-台北-ジャカルタ)
航空保険料+燃料サーチャージ:17760円
成田空港使用料:2040円
(小計:67800円)

上記以外にかかる費用
台北での空港使用料:NTD300x往復で2回=約2000円(無いかも知れない)
インドネシアビザ代:US$25=約2800円(入国時US$での支払いが必要)
インドネシア空港税:100000ルピア=約1200円(出国時)
(合計:73800円/人)

2008/01/23

修整版テキストが来た

先日、建築基礎製図のテキストにたくさんの誤りがあることで出版社にメールを送っておいたら、今日その同じテキストに出版社側で手描きの修整を加えたものが、謝罪文とともに送られてきた。謝罪して欲しかったわけではないし、それほどキツイ言葉を送ったのでも無いが。


もう基礎製図の課題は提出してしまったからこれを送っていただいてもこちらにはあまり意味が無いのだが、中身を見ると気付かなかった図面のミスがまだまだあったようだ。CADで描かれているのに寸法数字が違っているものがかなりあった。どうりでおかしい図面になってしまうわけだ。p30の断面図の階段上部には火打梁が抜けている。これは平面図からはわからない。

おそらくこの本を書いた先生は学生にでも図面を作らせたのだろうが、本当に作らない家の図面を教材だけのつもりで描いていたらやっぱりこんなものだろうなとは思う。しかし、この手の図面の間違いが間違いと判別できるようにならないと、建築をやる者としてやはりはまずいだろうと思う。


出版社さん、とりあえずありがとう。
これからこのテキストを使う人たちのためにもっと良くしていって欲しいと思います。

2008/01/21

建築基礎製図の課題が帰る

建築基礎製図の課題が帰ってきた。
評価は「A」だった。

何と、講評の最初の部分に「特A」と書かれていて、「模範作品と言える」と評価していただいた。年末から年始にかけて休み休み描いたので提出する時には始めたころの図面の内容を覚えていず、どこか描き忘れているのでないかと不安ながらに提出したものだからそれほど評価されるとは思えなかった。それに文字がうまく書けず (子供の頃に習字を習わされていた割に字が下手) あまり良いようには見えなかったと言うこともある。

テキストの間違いに関しては別紙にその旨書き添えて、仕上がりに矛盾点を含む事も記した。この点については「設計製図の『感覚』を身に付ける」ことが主眼なので若干の間違いには割り切って対処すれば良いとの事。作る人が「あれっ?」と思わない、いやいや作る人に「考えさせない」図面でなければと思って見てしまうので自分としてはこう言う図面のまま提出するのは心苦しいのであるが、まあ、練習と言うことなのである。


1.文字の書き方
採点は第1に文字の書き方であるらしく、テキストp10の文字の書き方の注意点を守っている事が評価されたようだ。最初描いた図面では文字と数字の上下に薄い線を入れて、そこに収まるように文字を書いていたが、次第に下線だけにしてしまった。ただ、そうした時に文字の大きさが微妙に異なってしまったのはどうしようも無かった。その結果「丁寧に」とやんわり注意された。

文字の大きさはテキストでは、図面書き込み文字が2~3mm、図面タイトル文字が4~5mmと指示されていた。提出した図面では書き込み文字を3mm、タイトルを4mmとしたが、講評ではタイトル文字はもっと大きく6~10mmで濃く、太く、しっかり書く方が良いとのこと。このあたりは建築図面素人には感覚が無いので仕方ないであろう。

2.線の濃さ
鉛筆の濃度はほぼ適正との事。全ての線にBを使用した。しかし、もう少し寸法線は濃い方が良いと書かれた。0.3-Bを使っていたのであまり筆圧をかけると太さが変っていってしまうので注意しすぎたかも知れない。(他の提出者の作品では線が薄いものが多いとの事。)逆に太い線については0.5-Bでできるだけケント紙が沈むほど強く引いたのは良かったかも知れない。


全体に、正確に描く、線の太さを使い分ける、濃く描く、丁寧に描く事で意図を伝える事が必要であるとの事である。私のように建築図面に慣れていない者はゆっくり丁寧に描くべき課題であったようだ。

2008/01/20

ゴミ箱の集客力 -パン屋設計のための調査

ゴミ箱は看板より集客力があるかも知れない。

路上観察していると、ゴミ箱の周りをお客さんが取り巻いている光景が目に付く。最近はやたらとゴミを路上に捨てる人が少なくなったようだ。食べながら歩く人は少なくないが、ゴミ箱があるところまで行って立ち止まってゴミを捨ててからまた歩き出すようだ。

以前聞いた話では缶飲料の自動販売機の横にゴミ箱が有る方が缶飲料も売れるらしい。また、自動車道路に何の表示も無ければゴミを窓から捨ててしまう人が多いが、「ゴミ箱この先xxメートル」と看板が出ていると道路がゴミだらけにならないと聞いた。路上売りにおいてゴミ箱は侮れないものであるらしい。


さらにもう一つ侮れない存在はベンチである。食べたい、飲みたいという衝動に「座って」とか「落ち着いて」と言うニュアンスが含まれるのであろうか、ベンチの集客力もバカにならないようである。路上のベンチは、店内の椅子とテーブルに比べて拘束力が弱い。そこで買ったものを食べながら持ってきたペットボトルのお茶を飲んでいても罪悪感を感じ難いのだろう。

ベンチに順ずるものとして、フードコートのような場所がある。特に安いもの、例えばファストフードやパン、お弁当などを食べる時に心理的拘束を感じずにスーパーで買った別のものを一緒に食べたりできる。

ベンチも侮れない。

2008/01/19

現代建築論のレポートが帰る

現代建築論のレポートが採点されて帰ってきた。
結果は「A」だった。半年間の作業と取材が報われた。
よかった。


講評では「ユニークな視点からの分析で興味深く読んだ」とのお言葉を頂いた。もちろんこれは狙いで、本から得た知識をまとめて書くだけでは書く方の自分が楽しめないと思うし、間違っていてもなるべく自分の感じた事を書かなければ意味が無いと思ったからだ。それに加えて参考資料の活字になっている文章でも定説に頼っていて自分で考えて書いていないと思われる文章が多い (例え書いたのが専門家であっても) し、時代の影響を受けた文章と言うものある。それが現在に合わない場合だってあるのだから、それを鵜呑みにしてまとめる意味は無いと思うのだ。

その上でアドバイスが書かれていて「それ以前の問題として(建築を見る上での論点以前の問題としての意)、訳もわからず感動してしまうような空間のパワーが(建築デザインには)必要で、そこにオリジナルな部分が生まれてくるところがある。自分で感動できる空間を見出して考察してみると良いでしょう」との事。なるほどと思う。人間のユニークさの原点は感動にあるのかも知れない。

しかし、そう言う部分は自分は弱いのではないかと思う。これは感じ方のクセかも知れないが、例えば映画を見る時に、どうしてもアメリカ映画が見易いのはそれが全体 (ストーリーも絵造りも全てにおいて) を通して「言葉」として成り立っているからで、逆にフランス映画のように詩を映像化したようなものは悪いとは思わないまでも苦手なのである。(全てのフランス映画がそうではない。)

まして建築においては何が良いか悪いかなどわからない、ど素人なので仕方ない。目利きには程遠い。しかし、そう言う芸術的感覚も最近では学んで習得できるとの研究結果もあることであるから、希望を持っておこうと思う。

そうした自らに欠けている点を踏まえた上で、(と言ってもできない事はできないのであるが) できるだけ独自の分析を各建築物と建築家に試みたわけで、概念を他ではあまり見ないようなチャートに表してみたり、建築とはまるで関係ない絵や写真を類似させて分類してみたレポートになった。今はここまでと言ったところ。



この科目は選択であって、建築をする上で最低限身に付けるべき要素よりは+αと言う扱いなのだろう。確かにこのような事を知らなくても建物は作れる。しかし、力学的にも法的にも問題なければ何でも作ることができる中で、実際に何を創造するか、何を選択するかを少しでも考えるのであれば、そして建物を鑑賞したいのであればこの科目は外せなかったと思う。やって良かった、と思える科目であった。


レポートで採り上げた個々の建築家についてもいくつか貴重なお言葉をいただいていますが、ここでは割愛します。

2008/01/18

「イスラーム世界の都市空間」より



イスラム建築と都市についての予備知識のために「イスラーム世界の都市空間」(科目概要に掲載されている参考書)をざっと読んでみた。 (本書はアジア地区についての調査報告が無いため、前半部分の都市総論的な部分だけ目を通し、後半の各都市については読んでいない。)

内容に触れる前に、この文献のうちの幾つかは(筆者によっては)読みにくい文章が多いと感じる。さすがに建築関係者が書いているだけあって「みごとな」「ダイナミックな」などの何を指すかわからない形容詞が使われている文章が各所に入っていて、これが学術的意味をもってまとめられた文章なのかと疑いたくなるものである。


簡単なイスラーム都市のまとめ
(但し、どのイスラム圏の都市にも当てはめられるものではない。あくまでも一般論。)

特徴
1.コスモロジー(宇宙観)と都市構造が結びつかない。
ヒンドゥー教建築ではそれを統合しようとし、中国建築には風水があるが、イスラムにはそう言う意図が働かない。現実的な構成をとる。

2.中央のマスジッドを中心とした商業都市となっている。外来者が広い通路を通じて中央部の商業域までアクセスし易い。

3.商業域以外の住居域の通路は2級、3級、袋小路のようなヒエラルキーがあり、プライベートな都市領域となっていて、公的な都市領域とは2分されている。

4.ギブラと呼ばれる軸線がある。これはメッカの方向を向く。(厳密でない場合が多い。)

アジア地区のイスラム都市や建築にこの法則がどれだけ適用されているかはわかならい。


個々の建築について
5.イスラム教では建築の様式に無頓着である。現在の外の世界の我々がイスラム様式のように見るものは、実はイスラム教と関係あるとは言えず地域性、歴史の中で発生してきた構法を採用しているだけと考えられるも
のが多いことに注意。


参考資料
「イスラーム世界の都市空間」陣内秀信・新井勇治 法政大学出版会

2008/01/17

パン屋設計のための人の移動調査



建築設計Ⅰ-2「パン屋の設計」のための予備調査。
正月に課題について何も出来なかったので通りを見ながら考えたことを簡単にまとめた。


通りに向った店面における人の動きと庇(ひさし)の効果について。

概要
1.同じ通りで店面に庇がある店と無い店では、有る店の方がお客が立ち止まるようだ。
頭の上に何も無いよりも有る方が1つの区切られた空間に入ったような感じがするように思う。壁は4方のうち1面しか無いので入り易いが、一度庇の下に入ると何も無いよりは少し安心できるように感じないではない。屋根の無い商店街よりアーケードの方に人が集まるのと同じではないか。

2.庇の大きさにも関係があるようだ。
歩道の庇が別の店のそれと繋がっているとアーケードのように通り過ぎることができるので人は店面に留まらないのかも知れない。隣と繋がっていてはいけないように思われる。

3.また、歩いて行く先の向こう側が行き止まりではなかなか足を踏み入れることができないようだ。店であれば本当に用がある(買いたい希望が強い)場合でなければ警戒心が生まれる。一見通路に見えるのが良いようだ。

4.スピードダウンの効果
店面に興味深い物が置かれていたような場合、歩くスピードは落ちる。スピードが落ちると店面の距離の中にいる人間の数が多くなる。それを見て他の人がやはりスピードを落とすので加速的に人の数が増加していく。例えば食べ物が売られている店であった場合には1人のスピードはゼロとなり、さらに滞留効果は増す。人間はお店に置かれている物に興味があると言うより、人間の方に余計に興味があるように見える。多くの人間がそこにいればそれだけ興味が増して寄ってくる。

5.通路への出っ張り
通路に少しだけ出っ張るようにテーブルや展示テーブルが出ていると良い。出ていないより出ている方が滞留効果が大きい。お客をまっすぐに歩かせず少し蛇行させると良いようだ。


定量的な調査ではないので実際の効果などはわからない。これをどう利用するかも別途考えるべきだろう。このまま普通に歩道面への応用ではたいした事はない。

2008/01/16

東南アジアのヒンドゥ建築

「ヒンドゥ教の建築」と言う本から東南アジアのヒンドゥ建築の特徴の概要を簡単にまとめた。

東南アジアのヒンドゥ建築の特徴

建築物の特徴
1.形態を宇宙論その他の思弁に結び合せる試みがある。統合的である。
2.神話上の観念を表現する配置構成となっている。
3.軸線的な平面計画と厳密な東西南北配置である。
4.国王の首都との結合。国の支配者を神と同一視する傾向にあり、神の居場所かつ国王の霊堂である。
5.露壇式寺院と宇宙の聖山、メール山に見立てている。

地域
1.カンボジア
~4世紀のフナン王朝

2.バリ
11世紀~ゴア・ガジャ、グヌン・カウィ
14世紀のブサキ寺院

3.ジャワ
(中部ジャワ)
シャイレーンドラ朝
 8~9世紀
  ディエン、グドン・ソンゴの山地(インドの影響)
  ->以後仏教寺院が建てられる。ボロブドール
 9~10世紀
  ロロ・ジョングラン(再びヒンドゥとなる。)

(東部ジャワ)
シンガサーリ朝
 10~13世紀
  マランのキダル寺院(独自の造形へ発展)
  シンゴサリ寺院
マジャパヒト王朝
 14世紀
  パナタラン(王の霊堂の意味が強くなる。)


参考資料
「ヒンドゥ教の建築 -ヒンドゥ寺院の意味と形態-」ジョージ・ミッチェル 鹿島出版会

住居の調査について -「マレー人の住まい」より

「マレー人の住まい」と言う本から、主題とは異なるが東南アジアの住居調査の視点について簡単にその項目をあげてみた。


A.建物本体についての着目点

1.平面上の構成
敷地面に対して用途別の部屋や別棟の位置に法則があるか。
2.床面の高さ
用途毎に床面の高さに差があるか。また、全体の床面の高さの違い。
3.細工
部分や全体の色や意匠などに傾向があるか。
4.材料
特定の部位に特定の決まった材料を用いているか。
5.立面の意匠
屋根の形状などに傾向があるか。
6.方向
全体または入り口が特定の方向を向くか。
 a.東西南北、b.メッカの方向、c.山川海の方向、d.太陽の方向

B.周辺情報

1.地震や天候の特徴。
2.工事の専門職の存在。
3.家族構成の特徴。
4.相続関係の特徴。
5.宗教、儀式。
6.工事コスト。
7.材料コスト。
 a.地元材、b.輸入材、c.流行
8.寸法体系。
9.法的制約。


本書はマレー人(マレーシアに住む1民族)の伝統的住まいの特徴とその生活について概要をまとめたものであるが、近隣国のでの調査の参考になる可能性があると思い読んでみた。


参考書
「マレー人の住まい」フィリップ・ギブス 学芸出版社

同時に参考にしたもの
「アジア都市建築史」より「ヴァナキュラー建築の世界 p21~p63」布野修司 昭和堂

2008/01/14

新年会

通信制の大学生にも新年会がある。
昨日は新年会があった。

スクーリングや試験で出会った仲間とブログやインターネットで知り合った仲間が、普段は全く会わないにしても同じ勉強をしていて同じような問題を考えていると確認できるのはなかなか励まされるものだ。ありがとう。


小中学校、高校での勉強では結局、予め用意されたたった一つの正解に一人でたどり着く事が求められる。机を隣にしていても最後は自分だけで正解を探しなさいと言うことだ。そうであればいきおい傾向と対策的な要領の良い勉強をしている者が勝、それができない者が負である。「みんな仲良く」と言う言葉はそこでは虚しく響く。


しかし、我々が欲しいものはそう言った簡単な解答ではない。生きていくための見識を夫々に身に付けることではないだろうか。であれば、答えらしきものを共有しあっていても最後に得るものは個人によって異なるものになるだろうし、試験やレポートで書くべき観点も夫々異なって正解となるはずだ。皆の力を寄せ合って皆違うゴールを目指す、そんな大人の勉強になっているのではないかと思う。皆さんに感謝します。

西和夫 新春講演会「日本の建築空間」

昨日、建築史家の西和夫氏の講演会を聞いてきた。

新春講演会
「日本の建築空間 ~数寄なる精神を踏まえて」
講師 西 和夫(神奈川大学工学部教授)
会場 神奈川県立川崎図書館2階ホール
08年1月13日 14時~16時

歴史の中の多くの日本建築をスライドで紹介していただいた。
その多くは下記書籍に紹介されいているので参照のこと。
「建築文化のスーパーバイブル -100の空間が語るもの」新建築社


(以下、講演の内容を独自に解釈している。講演内容そのものではない。)

日本建築の特徴の1つに壁が薄いと言うことがある。壁と言っても支柱に建具を取り付けたものが多く、取り外したり寄せたりする事が可能である。それを調節することにより自然の景色を切り取って眺めたり、襖(ふすま)絵の代わりに鑑賞したりするのである。

中には外見上、一見質素で特徴の無い建物のようなものも作られているが、それは建物を外から鑑賞するものと思い込んで評価するからである。建物には外観を鑑賞する建物もあるが、内部から外部(環境、自然環境、庭など)を鑑賞するために「使う」建物もあるのである。

池にしても、日本庭園の池は見るだけでなく実際に船を浮かべてそこで食事を楽しむと言うような使い方をされるものが多かった。これは現時点で我々が考える池に対する感覚とは異なると言う事である。建物にしても我々は日本建築に対してあるステレオタイプな感覚を持って眺めるのであるが、建築時点での意図とは異なる可能性が高いのである。

ブルーノ・タウト以来の桂離宮的なものと日光東照宮的なものに分けて考える見方についてもそれが言えるであろう。質素に見える小さな茶室であっても、その柱1本を探すのに山ごと買って気に入った1本を探し出すと言った贅沢な材料選びをしている事を考えればそれは東照宮の贅沢さに通じるものが無いとは言えないのである。(但し全く同じメンタリティから作られたわけではない。)

数奇屋建築の細部にはたいへん凝った衣装と細工を施した釘隠しが使われていたり、鴨居には細かな細工の透かし彫りが使用される。これらは皆、一見質素に見えて「分かる人には分かる」ものとして作られるものなのである。

現在の我々は家を「買うもの」と言う感覚が強かったり、建築家が(他人の家を)作ることで建築家の作品と呼ばれるものになるのとは異なり、主体はあくまでもそこを使う人間であって、その人間の趣味が大きく反映されたものとなっている。

スライドで紹介された建築は日本建築の構造と方法論を用いながらもその自由度は芸術的である。類型化して考える後世の我々にはわからないほどの自由さを各々が持っている。

数奇屋建築を近代建築に似た方法論のものとして論じる傾向があったが、これは日本建築の柱梁構造がそのまま露出していると言う共通点を論じているに過ぎない。数寄の本質はその手の合理性や構造にあるのではなく、趣味としての自由さにあるのではないか。それが「数寄なる精神」である。簡単な言葉で言えば「超個人的な趣味の空間」なのである。


多数紹介された中なら1つだけあげておく。
後楽園 流園 流店
この建物は1階部分の床に幅広い溝があり、そこを川のように水が流れている。それを楽しむ建物として作られたものである。一見2階部分から外の池を眺める建物のように見えるが、2階へ上る階段は無く、上ろうとすればわざわざ1階天井の穴にはしごを掛けなければならない。2階はほとんど飾りと言って良い。これも使用者にしかわからない趣味の反映であろう。


その他
三仏寺投入堂

2008/01/11

建築基礎製図の課題を提出

建築基礎製図の課題をやっと提出した。

切手代は片道65円(第4種)
ダンボール箱に課題のA3x1枚、A4x4枚入り。

少し長くかかってしまった。
それと言うのも、1つにはテキストの記述に間違いが多かったからだ。出版社にメールで連絡したところやはり誤記があり、改訂版を用意しているとのこと。しかし、おかげで図面を良く (疑いの目で) 見る事もできたわけであるから感謝せねばならないだろう。


建築の製図において変だと思うことも幾つかあった。
1.アルミサッシのガラスや枠を詳しく描くにしても、そう言った建具はメーカーかた購入して使用するものであるから図面にガラス1枚1枚詳細に描かなくても型番を指定するだけで充分ではないだろうか。詳細に描くべきは取り付けられる側の形状指定ではないだろうか。

2.寸法の記入方法は、やっぱりちょっとおかしいように思う。部分部分に小基準線が発生している。スパンが大事なのか基準からの位置が大事なのかわからなくなっているし、また窓を描く場合の窓枠の上下と左右で基準線の意味 (サッシのどの部分にあたるか) が異なっていたりする。

3.線種の意味が場所によって違っている場合がある。


このような事から、どう見ても職人さんに現場で微調整をしてもらっているとしか考えられない。機械の場合には寸法線の入れ方一つでコストが大幅に変るのでそのあたりをかなり注意して描くのであるが、建築のこの図面では高コストは避けられないような気がしてならないのである。

2008/01/01

2008新年

2007年中は12月14日以降更新していなかった。理由は基礎製図の練習をしていたからだ。正直言ってまだ終わっていない。もうほんの少しだ。正月なのでいろいろあるが多分あと1週間で終わって提出できるだろうと予想している。

ところで、正月から「ヒンドゥ教の建築」と言う本を開いた。これ以外にも幾つかの本を図書館から借りてきているので正月は華やかな街に繰り出さなくても退屈はしないだろう。

「ヒンドゥ教の建築」ジョージ・ミッチェル 鹿島出版会
「イスラム建築の見かた」深見奈緒子 東京堂出版
「マレー人の住まい」フィリップ・ギブス 学芸出版社
「アジア都市建築史」布野修司 昭和堂

建築学の本流から外れたこのような本ばかりなのは、未だ提出していない建築史演習のレポート作成の予備知識を得るためだ。建築史演習の課題は指定されている参考図書にある(古い)モニュメンタルな建築の調査と街並みの調査である。

日本の建築を選んでも良いのだが、「日本建築史図集」にある建築は関西方面が中心で関東のものは少ない。手軽に出かけて見てくるにも日光あたりまで行く必要がある。ここから日光では宿泊が必要になってしまうし、寒いし、交通費も高い。正直、全く気が進まない。

そこで暖かくて飛行機代以外は安い (飛行機代も?) 東南アジアにしようと思う。南アジアのインドまでなら良いと思っている。そうなればヒンドゥとイスラムの予備知識は必須と言うことだ。

もちろんバカンスも兼ねているので、そう言った条件も勘案して1月半ばあでには決める予定。(2007年は1年中バカンスだったようなものか?)


最後になってしまったけれど.....
あけましておめでとうございます。
今年は1歩でも半歩でも前に進みましょう。
今年もよろしくお願いいたします。