ル・コルビュジエの都市計画について調査している。
調査内容は前回ほぼ書いたのでここでは触れない。
ただ、困るのがル・コルビュジエの都市計画について「後世の都市計画に多大な影響を与えた」と多くの資料に書かれているにも関わらず、具体的にどの部分であるとか実際に行われた計画に影響を与えた事例、現在の計画方法でどう考慮されているか等を記した資料が全く見つからないのだ。後の批判意見だけはいくらか発見できる。
(ちなみに一つ前の記事に挙げたC・アレクサンダーも「パタン・ランゲージ」によって批判票を1票投じているらしい。)
どうもこの分野では新しい研究が多く出てきていて、過去の案は批判の対象として見られるだけのものになっているのかも知れない。
ル・コルビュジエは書物にして自らの案を丁寧に説明しているのでそれについて他人が意見を言う機会が多い事、計画が壮大過ぎて実行可能な思想と考えられなくなってしまった事などによって、「後世の都市計画に多大な影響を与えた」の一言で済まされるものになってしまっているように感じられる。
まるで神棚へのお供え物である。思考停止である。巨匠礼賛はこう言った後遺症も産むものなのだろう。
巨匠礼賛に組するわけではないが、ル・コルビュジエの都市計画について一言書いておく事にする。
「ル・コルビュジエの都市計画における思想は、人間生活の延長上に都市が存在すると位置づけるものであって、機能主義と言われながらもそこには人間臭さが感じられる。実行するのは国家であるとしたが、アカデミックでも権威主義的でもない人間中心の考え方については現在でも学ぶものが多いと結論付けたい。」
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