2007/07/17

建築史-日本史

今日は雨だったが図書館に行って資料を閲覧してきた。
このあたりの資料は横浜の神奈川県立図書館の方が揃っているように思われる。川崎の図書館は建築史と言った文化的なテーマに関する資料よりも、構造や材料のような工業的な資料が揃っているようだった。


日本の建築全般

1.神社建築について
日本の神殿(寝殿ではない)形式はいくつかあるが、その多くに共通するものがある。
柱が掘立である事、柱が丸柱である事、切妻屋根である事、例外もあるが棟持ち柱が使われている事などだ。この特徴は、古代よりずっと遡ったBC3~4世紀の大陸から伝わった高床式建築と共通する。

この高床式建築がその後の古代住居と神社建築のルーツだと考えられるが、どこで分化し、どんな部分が取捨選択されたのかは別途検討する必要があるだろう。

神社建築は各々何が違っているのか分かり難いので簡単なイラストを描いてみると違いがはっきりするように思われる。

参考資料
日本の原型・・古代から近世まで
日本の歴史と建築様式-賃貸のホームメイト


2.仏教建築について
日本の仏教建築は数段階に分けて朝鮮半島または大陸の影響を受けている。
影響を直接反映した様式もあれば、それを日本式に解釈して独自様式としたものもある。現存するどの建築もほとんどが古びた木材の色となっているせいで、知らずに見ていると皆同じに見えてしまう。そんな多くの建築に時間の奥行きを見るにはその構造の細かい部分を分類して見ることが必用だろう。なかなか面倒な作業である。

仏教建築はその様式の特徴が細部の構造だけのもの、敷地内の平面構成に特徴があるものなど、特徴の出方がいろいろで本当に分かり難い。構造だけ追えば良いと言うものでも無いらしい。

参考資料
「日本建築史図集」 日本建築学会編 彰国社


3.住居建築について
住居建築の様式は長い歴史の中でそう多くは無い。
それぞれの様式にそれぞれの時代の生活様式との対応があるのは当たり前であるが、これはわざわざ書いておくほどの事も無いかも知れない。

これも簡単なイラストにしてみるとその特徴がつかみ易いかも知れない。

参考資料
「日本建築史図集」 日本建築学会編 彰国社


4.近代の日本における西洋建築との接触について
近代になってこれまで日本建築には影響を与えていなかった西洋からの影響があった。

この影響を受けた建築の中には、現在も異国情緒のシンボルとして保存されているものがある。例えば長崎のグラバー邸等。あれらは異国情緒ではあるが、決して本当の異国では無い。よく考えてみれば、あんな建物は当時のヨーロッパには無かっただろう。むしろ植民地であった東南アジアの建築に共通するものを見かける。そう言う意味で面白い建築かもしれない。

同じ時期、殖産興業のための工場を外国人技師(建築家ではない)によって行い、その後政府の招聘により外国人建築家コンドルが来日している。


070719追加
「4.近代の日本における西洋建築との接触について」の内容に誤りがあったので訂正。
西洋との接触経路のうち、一番最近を1910~20年代の西洋の思潮導入としていたのは間違い。導入期と言うには時代が下り過ぎているため。

1 件のコメント:

orang-u さんのコメント...

内容に間違いあり訂正。