楳図さん自宅建築に待った=住民ら中止求め仮処分申請-東京地裁 -時事通信社
2007年8月1日(水)のニュース記事
「まことちゃん」で有名な漫画家楳図かずおさんが東京都武蔵野市内(井の頭公園近く)に建築中の自宅が、周囲の景観を破壊するとして、近隣住民が建築中止を求める仮処分を東京地裁に申し立てたと言うニュース。
その家の外観は、壁が赤白の横じま模様、屋根の頂上には「まことちゃん」の立像との事だが、住友林業によれば「まことちゃん」は無く煙突状のものを立てるだけだとの事。
最近は住民が景観に責任を持つと言う発想はあるものだが、実際に自分の家を建築する場合に自分でどう考えるかは難しい。住民の一人として「周辺環境をどう読むか」と言う訓練は学校で習うものでもないし、それ以前に集団や地域の中の一人としてどう振舞うのが良いかと言う意識も、現在の日本人には「無い」と言えないか。
古くからの住民が住む地区であっても、高額所得層の住む地区であっても何時しか土地は売られ新しい住民が流入する。東京などの都会は今やほとんどが基からの住民ではなくなっている。こうした場合、歴史のなかで出来上がってきたコンセンサスのようなものはすぐに無意味なものとされるだろうし、引き継がれないであろう。
個人の問題ばかりでなく、建築家も建築する現場の住民で無いのだし、地域の言語を読み取れる人間であるとも限らない。
結果として日本の景観はこうなってしまっていると考えれば、「まことちゃんハウス」が決して特殊な例と言うわけでも無いだろう。いったい街の美とは何で、それはいったいどこに存在するものなのだろうか。
建築中の楳図邸の写真をネット上で探せなかったのは残念。
見学会希望します。
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