2007/07/06

建築デザイン論のレポートを書いてみた


建築デザイン論のレポートを書いてみた。
課題は適当な公共建築を選んでデザインコンセプトや空間構成を分析しろとの事。

近所に題材になりそうな建築が有るような、無いような。つまりはそれほど興味が持てるような公共建築が無かったのだけれど、迷った挙句候補を「チネチッタ」と「川崎市立川崎病院」に絞込む。調べてみるとどちらも資料がそれほど多くは無いらしい。つまり世間での注目度は低かったのだろう。仕方ない。


070715追記
チネチッタは商業建築であって公共建築ではない。
そんな事も知りませんでした。病院は大丈夫だと思う。


何を書こうか迷ったが、ウルトラセブンに出てきた宇宙ロボット怪獣「クレージーゴン」にそっくりな「川崎市立川崎病院」に決めた。キーワードを4つに絞り、その各々について1ページづつ書くことにした。選んだキーワードはこれ。

「浮く」「見せる」「つなぐ」「人の動線を見せる」

「浮く」
この建物を外から見た時の一番の特徴が「浮いている」だ。
浮くと言っても風船のように軽いから浮いているのではなくて、重いのに頑張って浮いている感じだ。仙台メディアテークなどとは正反対で重量感を消そうとはしていない。むしろ強調していて江戸東京博物館の方に近い印象の浮くだ。江戸東京博物館は象かサイのような足が四隅に付いていてどっしりと踏ん張っているがこちらはヤジロベエ式にバランスをとっているからもっと凄い。凄い不安定感や危機感を感じる。こんな建物は珍しいんじゃないだろうか。

「見せる」
見ての通り、トラス梁が完全に露出して見える。
これに一番似ているのはモーターサイクルじゃないだろうか。クロモリ鋼のトラスフレームが金属の塊(エンジン)を抱えて、しかも1本足でバランスしている。見た目は不安定だが実に安定して立っている姿が似ている。レポートにもバイクの写真を並べてみた。ついでに建物の梁もバイクと同じ赤に色付けしておいた。

「つなぐ」
この建物の足の左右にある別棟は構造も用途も全く異なる。驚くことに、元々この別棟のところには旧棟が存在していて、それは何とこのヤジロベエの施工中にも病院として稼動していたらしい。頭上で15階もの建物が建設されていながらも旧棟の病院は患者を診察したり入院させたりしていたと言うことなのだ。
従ってこのヤジロベエが完成した後にその旧棟は壊されて、その後に別個に作られた建物を繋いだことになる。施工中を見てみたかった。

「人の動線を見せる」
外観の意匠は実は病院と言う建物にとってはどうでも良いことだ。地味ながらこの「人の動線を見せる」方がこの建物にとって本質的な問題であったらしい。
であるから中身は単純なる長方形であり、通路も長方形の回廊となっている。アトリウムには通路とエスカレータが露出していてこれも実に分かりやすい。災害時に慌ててどちらに走ってしまっても逃げられる。六本木ヒルズなどろは全く反対なのである。


レポート的にはどこかに比例美などを検討すべきだったのだが、絵に描いてやってみるとやはり力学先行で設計されているらしくそれらしき処が見つからない。比例は割愛した。

今回はレポート用紙の方眼紙側を使うようにとの指示だったので始めてフルにパソコンで書いてみた。やっぱり楽だった。レイアウトの都合を考えればプレゼンテーション用のアプリで書くべきかと思ったが、最終的に印刷だったのでDrawを選ぶ。どっちが良いのかわからないが。

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