今日も天気が悪かったけれど、雨は降らなかった。降らなかったと思う。図書館に入っていたから良くわからなかった。閲覧室には1日中机に向かって何か勉強しているおじさんが多い。皆50代以上だろう。仕事なのだろうか。それとも資格でも取るつもりなのだろうか。
西洋の建築全般
1.ギリシャ建築の後世への影響について
「建築史はギリシャ時代から始まる」と昔から言われるだけあってギリシャ建築の影響は幅広い。それとは反対にギリシャ建築の形態の幅はかなり狭くて「バシリカ」に尽きる。
「バシリカ(バジリカ)」と言う言葉は2つの意味に使われるから注意しなくてはならない。
・建築様式としてのバシリカ:これは列柱が身廊を取り囲む形式の事。(後に教会建築の代名詞になった。)
・建築の用途を指す場合:ローマ時代などでは公共建築をバシリカと呼んだ。
これらの影響はかなり時代が下っても見る事ができるが、影響の与え方は2方向に分岐しているように思われる。(これはどの本にも書かれていない。)
(1)列柱と身廊がある平面構成が変遷しながら伝播していく方向。
(2)オーダーが装飾として伝播して行く方向。
これらを調べていくにはなかなか時間がかかると思う。
2.中世の様式全般
中世に作られた建築の各様式はそれぞれ何らかの構造的問題を解決したり、他文化の影響を受けたりした結果であったりするものらしい。そして次第に元もとの考え方が失われて表面的な形だけになってしまうものもあるようだ。
先人も多く試行錯誤しているらしい。
3.ルネッサンスについて
近世ルネッサンスの理念は誰が見ても割と明確で、建築にもそれは良く現れていると思う。それはヴィトルヴィウスと言う教科書があった事が大きいのではないだろうか。それによって方向性がはっきりしていたのだと考えられる。スポーツの試合をするのと似て、ルールに則った中でいろいろ技を磨いていたようなものだ。
4.建築の「装飾」と「非装飾」
(注意:以下の内容はどの参考書にも書かれていない。)
装飾が魅力的と言うのは、芸術作品が魅力的に見えるのと似ている。概ね装飾を旨とする建築様式において、その作家は芸術家的な作品作りをするように思われる。
作家の美観から出たものであって、過去の様式や普遍的美の基準のようなものからはフリーである。また装飾が施される場所もクライアント個人の居室である場合も多い。様式とはならなかったがガウディの建築は狭い地域の風土を根本としており、普遍的とは程遠い一品物なのである。
対して非装飾を主題とする建築は、機能性、合理性を追求するものであり、その結果として社会性、文化といった広い範囲に普遍的に影響を与え、再生産を促す傾向を持つもののように思われる。
(追加:各々、「美」がどこにあるのか-個人の中かそれとも人間の外にあるのか-によって分けて考えてみたらどうかと思う。)
参考資料
「近代建築史」桐敷真次郎 共立出版
5.産業革命とそれ以後の建築の動き
(注意:以下の内容はどの参考書にも書かれていない部分を含む。)
産業革命は建築においては3つの新素材を提供する事になったが、これを最初に使って建物を造ったのはエンジニアであった。その理由はもちろん実用上の目的を達するためである。安価で収益性のある産業用建造物が求められたためだ。
この時代以前(中世や近世)の建築はどちらかと言うと裕福な貴族階級の要求を満たすものであったり教会建築であったりした為、形式美の追求、権威や威風を示すと言う要求に応える形で発展してきた経緯がある。しかし産業革命以後、近代になると産業の発展により合目的性、実用性、収益性が求められるものが変化してきたと考えられる。また産業構造の変化により街が都市化し、中産階級が増加したために建築も大衆化しなければならなかったであろう。
6.近代建築の基本要素
近代建築では新素材(鉄、ガラス、コンクリート)を使う事で空間構成や外観デザインに大きな自由度を得た。それまでの組積造では壁は厚く、開口も自由でなかったのだから、その衝撃はたいへんなものだったと想像できる。日本では石を積んで建物を造ると言う発想自体が無いのでその感覚はわからないかも知れない。
2 件のコメント:
勉強されてますねー
建築の「装飾」と「非装飾」
非常に興味を持ちました。
勉強になります。
それと、ブログ作りました。
http://blogs.yahoo.co.jp/shimazaki1984
よかったら遊びにきてください!
コンペについても追々書く予定です。
装飾と非装飾について比較した資料が全然見当たらないので考えてみましたが、個々の建築家を見ていくと総論の部分と各論の部分で違いが出てきてしまいます。何とも難しい比較ですね。
意見とか批判お願いします。
ブログ見せていただきます。
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