「堀木エリ子の世界展 和紙から生まれる祈り」を見てきた。
堀木エリ子は和紙を使った灯や空間デザインをしている方だ。日本の伝統工芸を現代の建築やインテリアに用いることができるように、つまり守りの伝統から使える伝統への橋渡し役のような事をしているように受け取られた。
単なるデザインでなくビジネスや技術開発としてもよく考えていて、単なる芸術家ではない。(創造の中身はHPに詳しいので触れない。)
そのデザインはやはり現代的であって、所謂「和モダン」である。(こんなお手軽な単語に集約してしまうのは失礼かと思うが、長くなるのを避けるためと思ってお許しいただきたい。) 幾何学と伝統柄、そこに偶発的なテクスチャや色が重ね合わされ用いられている。
偶発的と言うのは本人の言うに、水の流れや水滴の飛び方のような人がコントロールできない部分である。焼物でも釜から出てくるまで色の出方や縮みによる変形は名人でもわからないと言うが、それと似たような事かと思われる。
建築では木材の経年変化や壁面のツタの這い方程度しか思い浮かばないが、焼物や和紙のように偶発性を使用する工芸的な手法と言うのは出来ないものかと思う。作る前から全て計画された方法が主であるが、湯呑や花瓶を作るように建築ができても良いかも知れない。
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