2007/09/04

建築環境工学

1.光の性質と照明など
外的刺激を扱う場合に注意しなければならないのが、「物理量」と「心理物理量」の違いだ。

例えば、光量を扱う場合に用いる[lm](ルーメン:光束)は光の物理量と「標準比視感度」の積で求められる(実際にはそれに比例定数を掛ける)数値で、光の波長ごとに違う人間の眼の感度を勘案したものとしている。これを元にして照度、輝度などがそれぞれ求められる。

光の色については別途評価方法が異なる。


2.人工光源の特徴
使用電力、効率、演色性、寿命、補器の有無、コストなどによって用途が異なる。


3.音の3属性
これも音の大きさを評価するのに心理物理量を使用している。
音の場合、周波数によって聞こえ方が異なるので標準的な周波数-音圧レベルを示すラウドネス曲線に従った特性で評価。


4.空間における音のコントロール
快適な音空間を得るには外部からの雑音を効果的に遮断すること、内部の音を適度に吸音したり反射させるなどのコントロールが必要である。

a.遮音
遮音には主に2種類ある。

a-1.遮音壁を用いる方法。
主に高速道路などに設置する。

a-2.壁による遮音
単一壁、二重壁による方法がある。
但し、コインシデンス効果により特定の周波数で遮音効果が低くなる。二重壁でコインシデンス効果をキャンセルする方法も有り。

b.吸音
3つの方法がある。


5.熱の問題
熱の伝わり方には主に3つある。
伝導、伝達、放射。

これらによって人体と建物間、及び建物と周辺環境間でそれぞれ熱のやり取りを行っている。


6.結露
結露は冬場の窓ガラスでばかり起こるのではなくて、壁の内部で起こる内部結露にも注意する必要がある。なぜなら、建材は水分を含むものだから。


7.空気汚染物質
省略


8.換気
換気には大きく分けて2種類ある。
a.自然換気
b.機械換気

b-1.第一種機械換気
何にでも使えるが、室内圧と外部圧のコントロールに注意する。

b-2.第二種機械換気
室内圧が高くなるのでファン以外の隙間から空気の進入が無い。ファンからの空気をフィルタに通す方法でクリーンルームなどで使われる。

b-3.第三種機械換気
室内が負圧になるので隙間から空気が漏れることが無い。トイレなどで使われる。


9.人間の生理と心理
人間が外界から受ける刺激情報の量は、人間が感じている量とイコールではないことに注意する。例えば音のレベル[dB]は人間の感覚に合うように評価された心理物理量である。音の大きさのエネルギーが2倍、4倍と大きくなっても人間はその通りには感じない。感じる量は大きくなるほどサチュレートしてしまう。心理物理量=(係数)xlog(物理量)。


10.加齢
知覚機能の低下に注意する必要があるが、機能低下したからと言って突然それに合わせて環境を変化させるのは新たなストレスになることに注意する。
また単一の知覚機能の衰えが単独で起こるのではなく、運動機能低下との複合的な問題を引き起こすこともある点にも注意すべき。

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