2007/06/03

パラディオ(ルネサンス建築)



パラディオについて調べてみた。

古典主義と言ってもローマ時代を忠実に再現しているだけではなく、ルネサンス期以前に成立した構法(ボールト天井など)、当時流行していたもの(マニエリズムの影響など)の影響も受けている。

その上で美の源泉をローマ建築に求めている。
美は建物の輪郭における比例関係の中にある。(軸線は用いていない。)

研究したのはローマの神殿だが、神殿は住居の構法を拡張して造られたはずだと言う確信(仮説)に基づいている。古代ローマ人が神殿に用いた様式を住宅に適用している。

比例関係とオーダーの様式以外は自由な計画を行っている。

キリスト教の無いローマ時代の信仰は迷信だと考えている。よって比例から来る美は神や信仰からくるものでは無く、もっと普遍的な「自然の法則」のようなものから導き出されたものと考えている。


アンドレア・パラディオ
(1508~1580 ルネサンス後期、マニエリズム又はマナリズム期にあたる。)
13歳で石工の徒弟となる。
2回脱走の後ヴィチェンツァへ移り石工となる。
1530年石工のマエストロ資格取得。
1534~36ヴィチェンツァ大聖堂の大祭壇の製作。
1537~38屋敷の改造工事でトリノッシと出会う。
1538~50トリノッシに師事。建築を学ぶ。
ローマにて建築調査旅行。(1541、1545~46、1546~47、1549)



参考書
「パラーディオ『建築四書』注解」桐敷真次郎 中央公論美術出版
「古代主義建築-オーダーの詩学」A・ツォニス R・ルフェーブル 鹿島出版会
「『アンドレア・パラーディオの建築と図面』解説」桐敷真次郎 本の友社

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