2007/06/10

ル・コルビュジエ その1




現代建築論(選択)の参考図書「第一機械時代の理論とデザイン」から"ル・コルビュジエ"に関してまとめてみた。

この参考書では近代の建築の思想史が解説されていて、コルビュジエに関しては1920年代を辿っている。

テキスト「20世紀建築の空間」の中では「ル・コルビュジエの幾何学的な箱の中には、生活と言うもののまるごとのイメージあるいは人が生きることへの夢がおさめられていた。」ことで、その建築から受ける第一印象とは違い「有機的である」ように書かれています。しかし「第一機械...」の方では(1920年代)「機械とともに歩むべき」となっていて、この時代には未だその具体的生活のイメージは限定された人々(つまりは建築家のクライアントである中産階級以上)のものだったように思える。今ひとつ有機的であるかどうか納得しかねるところあり。



「家は住むための機械」とは。
読んで字のごとくわかる、と思える言葉だ。工業の発展に刺激されて「これからはこう言う時代」と感じた故の言葉かと思っていた。確かにそう言う面はあるけれど、それ以前にこの言葉には前提条件があったようだ。

・伝統的、古典的なモチーフを用いて建築を構成する事の意味が無くなってしまった時代であったこと。
・機械化、工業化は同時にやってきた。(ある意味、たまたま同時に来ただけ。)しかしこれは産まれる次から滅びる運命にあるもの。
・残っているのは人間の理性(幾何学)と情熱からくる「美学」だけ。これは滅びない。そしてこれは建築の仕事である。
・ここに新しい調和、規律を作らねばならない。これが「住むための機械」と言う選択。(ルネサンス期のパラディオに似た発想。)


(画像をクリックすると読み易くなります。それでも読めないならコメントください。高画質に差し替えます。...必要ない?)

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