2007/08/02

都市計画 川崎区



都市計画学

川崎区(神奈川県川崎市)の都市計画マスタープランの調査を行った。

川崎市都市計画マスタープラン 川崎区構想 -川崎市まちづくり局

川崎区のマスタープランを見てみると、理念から数段階を経て細かい項目に向って記述されていく。これでは全体としての「出来上がりイメージ」がつかめない。理念の部分は悪く言えば奇麗事であるし、行政としては実行プランが出ればそれで良いのだろうが、結果「あれもできました、これもできました」で済まして良いとも思えない。

そこで上図のような分析をしてみた。
地域に「付加価値」を付ける軸、既存の財産を「補修-変化させる」軸で表現されるチャートに各実行プランをプロットした。(従って、この図はマスタープラン中のものでなくオリジナル。)

ここから導き出せるのは川崎区が「産業」と「住環境」の2方向でプランを考えていると言うこと。さらにその中身は2つに分かれていて、各々「前時代の後処理」と「新規開拓」である。
これら細目の中にはテーマとして挙げているが実効性の無さそうなものも含まれる。総じて産業誘致型の従来からの政策を継承していると言えるだろう。

この図の前に地域の成立ちと現状の問題点なども見ておく必要があったが、マスタープランに採り上げていない川崎区特有の大きな問題も存在するように思われた。それは風俗営業密集地区の存在やギャンブルや区人口の5%を占める外国人居住者への利便性向上である。

川崎は以前より明るくなったとは言え依然として風俗で有名であり、外国の姉妹都市があり外国人がこれほど居住していながら道路標識などの表記は日本語でしかなされていない。

人も企業も流動的な川崎と言う大都市にあって、誰を住民と考えるか、策の見出し難い問題をどう都市計画に取り入れるか、などいろいろな問題を含んでいる。


また川崎の行政は市民とより企業と仲が良い傾向がある。商業地区の再開発にしても外部企業を誘致するだけで住民にチャンスを与えるものでは無い。これは都市部のどこの自治体でもその傾向がある。(北九州の場合は割りに地元にチャンスがあったように思われた。)単に新しい消費地としての再開発に過ぎない。その結果、どの街も似たようなものがある特徴の無い街になっていくのであろう。


川崎におけるマスタープランでは住民参加度合いが低いように感じられたが、選挙以外に直接参加できる機会として注目すべきものかもしれない。

3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

おおおお!!!

すごーい!!


ケビンリンチ方式でまとめたのは
よく見ますが、
マスタープランこうやって
まとめてみるとすごく、見やすいですいね。

新鮮です。

ゾーニングしてるところもわかりやすいです。
どういうベクトルで計画されているのかが
ひと目でわかりますね!!

匿名 さんのコメント...

おおおおおお!!!

すごーい!!

ケビンリンチ方式
でまとめるのはよく目にしますが
マスタープランをこのようにまとめると
見やすいですね。

新鮮です。

またゾーニングもわかりやすいです!
どのような、ベクトルで計画されているのかがよくわかりますね。

orang-u さんのコメント...

ありがとうございます。
これは仕事などでよくやっていた方法で、数字になっていないものでもとりあえずデータの向きとか差とか傾向を考えて可視化を試みています。それと川崎の方向性を読んだつもりなので一般的なやり方と言うわけでもありません。

それより私は「ケビンリンチ方式」の方を教えていただきたいです。