2007/05/28

秋田商会




下関にある秋田商会ビルです。


1915年大正4年、日本で2番目に作られた鉄筋コンクリート構造のビルだとの事。しかも空中庭園付き、しかも個人で建てたビル。そして日本に現存する中では最古の鉄筋コンクリートビルだとの事。








中身は外観から想像できるような全面洋風モダンな造りにはなっていなくて、海運会社の従業員を集めて大宴会が開ける畳敷きの大広間もある。何はともあれやっぱり日本人の作ったものなのだ。

日本人の、と言っても、いったい何故秋田商会の社長さんはどんな建築家とどこの大工に何と言って注文を出したのだろう? 初めての構法で始めての形をどうやって何を考えて造ることにしたのか。空中庭園まで作らせる事ができるほどこの構法について知っていると言う事は、よくある丸投げではないだろうから、この当時としては新しいこの構法について詳しく知っていて造らせたのかもしれない。

洋風の建物はこの近くにもいくつかあったし、外国人も住んでいた土地柄だからそういった繋がりで建てたのかも知れないし、海外との貿易の過程でそういった建築や技術を見てきたのかもしれないけれど、それを決断するに至った経緯はどういったものなのだろう。新しいものを求める時代の空気とかその勢いによるものなのか。

だとすれば、ウィーンの街にいきなりアールヌーヴォーの建物が出現したような、そんな空気が大正初期の下関にもあったのか。この建物からだけそれを想像するにはちょっと無理があるようだけれども、その時代独特の何かが感じられるようです。

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