ずっと以前に書いて、その後何もしていなかった「美」や「景観」の問題。
先日、建築法規の課題て建築物の形状を扱う法について調べていたら、斜線規制があった。
斜線規制についてはさらに以前に都市計画学の資料を読んでいた時に行き当たったことがあった。その概要はヨーロッパの都市で、スカイラインを統一したり通路の明るさを確保するために絶対高さを規制していては建築物の中身の価値を高めたいと言う経済的欲求に応えられなくなるのを懸念して斜線規制を用いたのが始まりであるとの事であった。
それを頭に置いて建築基準法を読んでいたのであるが、ふっと、その同じ斜線規制を用いていながら日本の都市部の道路沿いのビルの形状はいつまで経ってもヨーロッパの都市のように統一感あスカイラインが実現していないのに気付いた。その上、どう見ても"変な形"としか言えない屋根を持つ建築物が多い。
さらに、景観法と言う法律が別にあって、景観法によって斜線規制が緩和される項目まであるのだ。
と言うことは、建築基準法による道路斜線規制は景観を考えたものでなく、道路側の圧迫感を取り除いたり光を取り入れたりと言った衛生上の規制なのだろうか。建築基準法にはその理念のようなものは一切書かれておらず、規制内容のみであるのでその考え方はまた別途調べなければならないが、法律と言うものは最後には"良心から"判断せねばならないはずなのでこれはいかがなものかとも思う。
また、まさかとは思うが、道路斜線規制の趣旨には景観を誘導する思想が入っているが、世の建築家または建築士さん達は斜線規制は単なるお上から与えられた規制でありそれによる不利益を如何に回避するかだけを考えてしまっていることで、法規がその趣旨とは別の働きをしてしまっているのだろうか。そんな性悪説に立った考えを持たねばならないとは、思いたくはないが。
参考資料
景観法で年は美しくなるのか - 都市環境デザイン会議関西ブロック
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