現代建築論のための黒川紀章に関するレポートがほぼまとまった。
1000字は少ないので何時も通り論点を一つに絞って書いた。採り上げる建築物も国立新美術館と日本看護協会原宿会館に絞る。
黒川紀章建築にあるあの「よく分からない空間の存在」を問題にする。
よくわからない空間とは国立新美術館のうねるガラスで覆われたロビーと日本看護協会原宿会館の正面階段である。どちらも効率と言う面では無駄なのである。東京と言う地価の高い都市においてはほとんど何も価値を産まないであろうあの空間をなぜ作ったのか。
19世紀ヨーロッパでは都市は王侯貴族のものであった。現在の東京は大規模開発が行われ派手な宣伝活動とともに報じられる。つまり資本家や企業のものであったり、ひいてはお金のものと言うことになる。それはそれで我々は楽しめるのかも知れない。現に多くの人がそういった商業施設を訪れる。そして高価な物を買い、話題の店で食事したりしている。企業は我らを飽きさせないために次から次へと新商品や新サービスを考え出して宣伝する。
それもお金があるうちであるし、飽きないうちなのであって、実際に人間としての生活とは無関係のお祭り騒ぎ、レジャーでしか無いのである。
これからの人間の生活や生き方を考えた場合に、それで良いのだろうか。
人間はプログラムされた機能的な動きややり方をずっと続けて生きるのではなく、思いも寄らぬ「何か」との偶然の出会いによって突然変異(黒川によれば「メタモルフォーシス」)するのである。
あの「よくわからない空間」はそんな「何か」のためのものであり、これからの都市と言うものの在り方への「答え」なのだ。
黒川紀章は本質的な人間の生物としての「進歩」や「向上」を信じているのであろう。人間がこのままでいるはずは無いと。そしてもっと良くなるであろうし、その意志を秘めているであろうと。
参考資料
「黒川紀章ノート 思索と創造の奇跡」 黒川紀章 同文書院
「別冊 新建築 黒川紀章」 新建築社
「<現代の建築家>黒川紀章2」 鹿島出版会
「黒川紀章作品集 代謝から共生へ」 美術出版社
「建築の詩」 黒川紀章 毎日新聞社
「花数寄」 黒川紀章 彰国社
....
レポートのための文章より後に書いたこちらの文章の方が良い部分もあるので置き換えようかと思った。そう言うこともあるものだ。
5 件のコメント:
課題二つ目終了お疲れ様です。
私も黒川紀章の「共生」とは何なのかを勉強しようとしていたことを思い出しました。
三つ目の課題は誰なのか?期待しています。
誰が良いですか?
リクエストをください。
伊東→黒川の流れから見れば、
必然的にあの大御所に辿り着くのでは?
横浜美術館もあることだし・・・
丹下健三ですか。
丹下健三ってどんな印象ですか。せんたろーさん、皆さん。
丹下健三
東京カテドラル
なんか 十字架に ピコン!ときて
すぐに作っちまった感がある
代々木体育館
とりあえず 吊構造でときて ちょっとひねったらできちゃった感がある
まあでもすごいですね
私は 余り好きではない
基本的に 東大系というか左脳系はやぼったい気がする
基本的に構造計算とか考えてるほうが得意そうだから
コルビジェとは違うね とか思っています。
偉そうに・・・
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