2007/10/25

黒川紀章とパン屋



現代建築論のために黒川紀章を読みながら、次の課題である建築設計Ⅰ-2のヒントを無意識に探してしまう。

今までは順序として近代に触れる事が多かったのだが、黒川紀章を読んでやっと近代とその後との「継目」に触れることができた気がしている。同じメタボリズムの他の建築家からは黒川紀章ほど強烈で明確な継目を意識はできなかったのだが。




ところで、上の絵は「黒川紀章ノート」を読みながら建築設計Ⅰ-2(パン屋の設計)のために書いたメモ。(本にはパン屋の事は書かれていない。)

パン屋をパンを作って売るだけの機能として捉えるだけにはしたくないと思っている。最近は個人経営のパン屋でも、ドアを入ると「いらっしゃいませ」で始まるコンビニやファストフード店と同じ接客をする店が多い。そのやり方は確かに無難で不可はないのだが、それでは単にパンを買う機能を果たしているに過ぎない。人間が動かしている自動販売機みたいなものだ。

そう言う店は買わないで通り過ぎる人間にとっては無である。毎日歩くその道にある個人経営のパン屋が通路の壁であってはつまらないだろう。

生活の側から見ればパン屋はその一つの部分であるし、街の機能から見ても部分である。そして店の場所はその繋ぎ目なのである。パン屋を営む人間から見でば、パン屋は外の世界と生活の繋ぎ目である。自営業は生活を業務の区別はサラリーマンのようにハッキリ分ける事はできないものであるから、店を単なる収入のための道具と割り切る事はできないはずだ。

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