2007/04/18

視知覚と建築計画

建築計画学のテキストには「第11章 空間と知覚」と言う章があって、この中には知覚に関しての知識ばかりが書いてあって、建築計画上注意しなければならないとの記述はほんの少ししかない。

仕方ないので自分の想像力を働かせて考えをまとめるしかないらしい。



ここからはその解釈の概要です。(正解じゃないから気をつけて。批判くれたらうれしい。)

●視知覚のいろいろな効果は(1)計画する側が気をつけるべき事、と(2)建築物を使う側への配慮、の2方向から意識する必要がありそう。

(1)計画する側が気をつけるべき事。
a.プルキンエ現象:実際の壁面の明るさが計画時に想像できないので色が違って見える可能性。
b.色の面積効果:小さな色見本と実際の壁面等では異なって見える可能性あり。
c.計画時には2次元上の表現で、実際は3次元であるので眼球の筋感覚、両眼の視線がなす角度、両眼視差などの生理的奥行知覚が異なる可能性あり。
d.計画時と実際の建築物ではテクスチャの密度勾配、輪郭部の重なり、陰影の違いにより経験的奥行き知覚に差異が出る可能性あり。

(2)建築物を使う側への配慮。
a.暗すぎると凹凸部などが認識できず危険。
b.暗順応には30分ほどかかってしまうので明暗差が大きい場合には危険。
c.眼球には盲斑があるので頭部にあたる部分に突起などがあると危険。
d.網膜像の大きさやテクスチャの密度勾配により狭い空間を広く感じさせることで、精神的ゆとりをもたらす事ができる。一方でスロープや段差では距離感の誤認による事故の可能性もある。
e.老齢による視知覚の弱り、弱視者、色弱者への配慮などバリアフリー化も考慮すべき。

※全然テキストに書かれていない内容もあります。



追加
「プルキンエ現象」を「プルキ"エン"現象」と間違って表記していたのを訂正しました。正解は「プルキンエ」です。

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