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2009~2013年:建築物と建築についての雑記です。
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2009/06/10
BB Plaza The Big !
この建物のベストショットを撮ろうとして周囲を歩き回っても、それは無駄だと思い知るだけだ。一番良いのはこうして航空写真を借用してくることだと思われる。
紹介しよう。この建物の名はBukitBintangPlaza(ブキット・ビンタン・プラザ)、通称BBPlazaと言うショッピングモール、写真では赤で囲った部分全部がそれだ。
この建物は実は2つの建物が繋がったものなのではないかとも言われているが、周囲の壁面にはそれらしき分割線が見当たらないので1つとしておいてもよいのではないかと思う。中に入ってみればなおさら1つのようにしか見えない。
写真に撮れない建物をどうしてここでとりあげるかと言うと、それは航空写真を見ての通り、"デカいから" の一言に尽きる。
六本木ヒルズの全敷地の2/3を全て建物で埋め尽くしたと言ったらわかりやすいだろうか。階層は多分5か6の中層。だが実は傾斜地に建っているのとその複雑さでよくはわからない。そして中にはデパートが2つも収納されている。その全部を合わせても全床面積の1/4も使ってはいないだろう。その他は個人経営をはじめとしたテナントとそれ以外にほとんど屋台のようなものが無数に入っている。その総数は誰にもカウント不可能に違いない。また屋上と地下には巨大な駐車場まで備えている。
そのデカい建物がその内部のどこもヒンヤリ感じられ、しかもこれほど混雑しているのに息苦しくもないほどみごとに空調されている。そこには大きさとともに巨大なパワーさえ想像されるのである。
通常、建築物はその機能と造形とそこを使う人の関係性などによって論じられるのであるが、このバカが付くほどの"デカさ"はそうした建築のリージョナルな議論を全く無視して成立させてしまう、一種のパワーなのではないかとこのBBPlazaによって感じさせるのである。
建築学科の学生の卒業製作でこれを提出したら絶対に不合格になりそうなこの建物、いったい何がしたかったのだろうか。その答えは敷地面積の拡大と言う単純な発想ではなかろうか。
さて、これに一番似た建築を思い起こしてみる。
.........ドミノシステム、意外かも知れないが、これが一番近いように思われる。
柱に支えられる床、そしてどのようにも自由に使える内部。コルビュジェのドミノシステムを広い敷地面積いっぱいまで拡大して造る。中身は屋台だろうが商店だろうがマネーチェンジャーの閉じたブースであろうがその他食堂、スーパーマーケット、イベント会場でも何でも商業ビルとして考えられるものは何でも入れられる。そこに外皮を被せて出来上がり。
あまりに広すぎて内部の機能と外皮はほとんど何の関係も持たなくなる。であれば外観デザインがどうのと気にしてデザインなどする必要は全くない。単に囲えばそれで済む。外を歩く人間から見てもあまりに巨大で全体を把握しようとすら思えないほどであるからなおさらである。単にこの街の延長となる部分が何倍かに増幅されてそこにあれば、それで良いのである。
巨大とはそう言うものなのである。建築であるのか都市であるのか、はたまたその中間なのか。ただ"デカい"、そう言う視点から建築を捉えなおしてみるのも面白いかもしれない。
※BBPlazaはやはり2つに分かれていて、南側半分はSungeiWangPlazaと言う建物になっている。よく見ると切れ目はあるが、私のようなKL初心者には難しい。
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