2009/07/05

Not Only a Tower but...


ペトロナス・ツインタワーができてしまったこと、隣接して同じほどの高さのビルが建ってしまったことなどでこの建物のシンボル性は失われたのかもしれない。以前は有名な建築物であったようだが今はもう誰もこれを見るために訪れることは無さそうで、ひっそりと建っているにすぎない。

これは宗教建築物だと思って見に来たが、中部に入って守衛さんに聞いたところオフィスビルだとわかってびっくりさせられた。しかも35年ほど前に建てられたものとの事。(年代未確認) 近づいて、そして内部に入ってさへイスラム建築の香りがするからだ。驚いたことにこのタワーの中間部の柄が変わるあたりまでは駐車場になっている。駐車場の蛍光灯の光がチラチラと漏れて見えるのがさらに宗教建築物らしさを増幅させる。それより上部は通常のオフィスになっているらしい。

遠くから見ると4本の太い柱状の構造体が中心に向かって寄りかかりつつ支えているように見える。だが実際は中心部にあるコアが全体を支えていて、下部に行くに従って広がっている部分は駐車場の台座に過ぎないようだ。駐車場の台座が中間部で実際の塔状の部分に統合されてこの形を成立させている。まるで富士山のように整った形である。


デザイナーがこの建物に込めた思いはどう言うものだったのだろう? もし自分がデザインするとしたら、そんな思いや祈りのようなものを込めて建築物をつくることができるだろうか? それをするバックボーンが自分の中にあるのかどうか、思いを巡らせてみる必要がありそうだ。

そして、この建物で毎日仕事をするのはどんな気分なのであろう?


写真左側の下部に見える渦巻きは車が駐車場に入るためのスロープで建物裏側にある。正面からは見えない。

建物の名称:Tanbung Haji Building

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