仙台に来ている。
ホテルにインターネットの設備があったのでありがたく使わせていただいている。
今朝、新幹線で仙台に到着してバスに乗りメディアテークに入る。なぜか裏口から入れられ1Fフロアで並ばされる。IDを確認されて出場者全員と作品データの印刷されたパンフレットをもらうためだった。
そこから5~6Fの展示場に上がるとゴチャゴチャと作品が置かれていたので5Fの端から見ていったところ奥の方のテーブルの端に自分の作品が並べられていた。すでに昨日の7日にエントリー数776作品の中から100作品が選ばれており、その作品のパネルには赤いバラが付けられている。
残念ながら100選には入らずだった。入ると期待していたわけではないが。しかし堀口徹氏(建築批評家/東北大学助教授)が1票入れてくれていたようで、パネル下に貼られた小さな紙の氏の名前の下に小さな丸い黄色のシールが貼ってあった。びっくり、嬉しかった。その堀口氏はなぜか他の審査員が選ばないものを選ぶ傾向があるらしい。プロフィールではアメリカ生まれで活動の場と学位のいくつかはアメリカからのもののようで、もしかすると建築に関する視点が自分が指導していただいた先生と共通するものがあるのかも知れない。よくはわからないが。
このシールが多く貼られている作品もあったが、それがすなわちファイナルに残ると言うことでもないらしい。多くの審査員が注目しても話し合いが行われて選ばれないこともあるらしい。
審査は各審査員が係の学生に連れられて歩きながら採点していく。見ているとどれもほんの10秒と言ったところ。それはそうだろう。セミファイナルでも100点もあるのだから。
ファイナル10点の作品のプレゼンを見ていたが、空間がユニークでパネルや模型でそれが分かり易く表現されているものが多く選ばれているように感じた。つまり空間が見えると言うことが大前提のようだった。ただ、そうして選ばれてもインタビューするとやはりどこか欠落している感じがあるものもあって、言葉を重ねるたびにガッカリと言うのもある。傍で見ていると、それはわざと考えてないんだから何も言い訳しなくて良いのにとか、そんなことは絶対言われる事なのだから答えを用意しておくべきだろうと思う場面もあった。
多くの作品の傾向としては、個人のファンタジーが作品を作る動機になっているものと、哲学が元らしきもの、造形のユニークさから入っているものに分けられるようだった。造形のユニークさを求めたものでは、形の操作を教科書から引いてきているものが多くてどこかで見た感じがするもののけっこうあるようだった。だから出来が悪いと言うこともないが、あれだけたくさん見ているとさすがに飽きる。飽きさせないようにヤルのは一つのキーポイントなんだろうとも思う。
最後にメディアテークを実際に見た感想。
とても「ストイック!」なデザインだと思う。
スラブとニョロニョロを考えたところで思考を完全に止めてしまったように感じる。
臓物が全部黒く消されているなどデザイン上無き物になっていて、それはスラブと柱を強調することになるがだからと言って無いと言うことでもなく、やはり機能部品は数々あるわけで、白黒に塗られて有る/無いに分けられていることで待遇がずいぶん違うのが変に気になる。恥らとスラブの見せ方だけのためにその他は陰にされたところで、そのまま凍らせてしまったような建物だと思った。そのストイックさがとても日本人らしいとも思う。
また、もし建物内部に何も置かなければ空間はもっとふにゃふにゃした感じに見えるかと思うけれど、トイレでも書棚でも床にテープで描いた線(SDLのために学生が描いた)でもカクカクしていてどうも不整合な感じがする。どうしてだろう。
柱がスケルトンだから広く感じるかと思うと逆に柱が強調されて狭く感じたりもする。各フロア間の移動がエレベータかニョロニョロの中の階段(非常階段のような)しかないのと、上下階が見通せると言うようなこともないのでそれぞれ中にいると階ごとにきっちり仕切られた空間のように感じる。ニョロニョロに触れるところはほとんど無くて(防火上の制約もあるし)フラストレーションを感じないでもない。そのあたりは写真で見ていた印象とはちょっとちがう。伊東先生、いろいろ実験してくれてありがとうございます。
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