建築設計Ⅰ-2で「パン屋さん」の設計をしている。
....している、とずっと考えているとどうしても「パン屋さん」を造ろうと思ってしまう。
でもそこにはパン屋さんを営む家族が住んでいる。つまりパン屋さんであると同時に普通の住居でもあるわけで、そちらを疎かにするわけにもいかないのだと思い返す。お店も家も両方同時に造らないといけないのである。
パン屋さんを営む家族はきっとパン屋さんの商売がうまくいく事を願っているだろう。しかし同時に家族の生活にもそれを望んでいるだろう。となれば、家を設計したときにその家を見てその家族にはちゃんと自分の家だと認識してもらわなければならない。
猫は引っ越してもその家を自分の家だと認識するのにたいへん時間がかかる。ダンボール箱に布を入れ、餌を置き、臭いを付けて快適にしてやってもなかなか自分の居るべき場所だとは思わない。最後には半ば諦めさせるようにして家だと認識させなければならない。
それに対して人間は順応性があるために、自分の家と考えてそこへ入ることに躊躇が少ないだろう。逆にそうであるからちょっとした違和感に対して設計者に何も言ってくれないかもしれない。少しの無理をずっと我慢して住み続けてしまうかもしれないだろう。
そのあたりをちゃんと考えて描かないといけないのだろうと思うが、CMのように「帰りた~い、帰りた~い♪」となる家はどうしたらできるのだろうか。
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