2012/08/08

終了のお知らせ

このブログはあと1週間程度で消滅することになりそうです。
ご了承ください。
今までありがとうございました。

2012/06/10

旧王宮


1206 Royal Palace

自由を感じる宗教施設

 宗教が伝統の中にあると考えるのは日本人だけかもしれない。

以前、台湾にいたときに全部の宗教施設が鉄筋コンクリートのビルだった事に驚いた。もちろん川崎大師だって大林組による鉄筋コンクリート造には違いないが、巧妙にそれらしくなく演出されているのであまりコンクリートらしさを感じはしない。

が、台湾もマレーシアも宗教建築物の材質には特にこだわりが無いようだ。前の記事にある建築中のヒンドゥー寺院もそうであったように。
自動書記に使う道具。但し2人の男性が行う。
 さて、中を見てみると普通に中国寺院(廟)であって特に驚く事も無いようだ。

 ただ、天井を見上げるとその印象は全く異なる。何とも近代建築の便利さをフルに生かそうとしたようなこんな形状になっていて、変な意味で歓心する。
外へ出て屋根を見るとこんなに多くのデコレーションが海上の波が折り重なるような形で取り付けられている。あの中身の構造はこれをやりたかったためなのか、それとも本当に中の空間を確保したかったための物なのかどちらなのだろう? 形式よりもデコレーションが大事だろうか?
この中国寺院のすぐ向い側にはモスクがあってそちらも普通に鉄筋コンクリートの建物だ。あちらもドームとミナレットで遠くからでも何だかすぐにわかるようになっている。

近代建築を言うときにどれも似たような四角い箱状のものと評する事は多いけれども、実はもっと自由なのだとこれを見て変に納得しなくもない。(もっとも、巨匠達だったらそれは当たり前でしょう。)


2012/05/21

他人のシナリオ

先日、久しぶりにKLにある建築書や美術書を専門に扱っている書店に行ってみた。世界中の作品集もあいり、日本のものもあり。ページをめるくだけでなかなか楽しめる。

ふっ、と思う。
"まとまりの良い"と思える作品と言うのはある。それだけでけっこう完璧に出来ている。商業建築物などにそれは多いけれども、そのまとまりの良さに、逆に違和感が感じられる。内部も外部もああしてこうして、計画に漏れが無い。よくわかる。

でも違和感がある。

こうした施設にはあれとこれがあって、こちらから来る人はここでこうしてあそこでああする。だからここにこれを置いて、と。ふーん。そうかも知れない。正しい。こう言う人とこう言う人を結び付けるには中央にこんな感じの場所を設ける。それも良いかもしれない。街の問題を解決するにはここにこんな施設を作ってこう使ってもらう。なるほど。

心の底に小さな声が。
"おまえにそこまでコントロールされる筋合いはない"。
それで全てが無意味に感じられるようになってしまう。


昨日手帳に書いたスケジュール。どの位その通りにできたか? どうやったって100%できた日などそう多くは無い。自分の事でさへそうなのに他人の行動まで管理することはなかなかできるものではない。遊園地の乗り物なら乗せてシートベルトを締めさせればその通り行くだろうが普通の生活ではそれは無い。

そんな作品、造形の問題としては良いかもしれないが、どうもあまりにまとまりの良い作品を見てしまうと、出来が良ければ良いほどに物足りなさを覚えてしまう。 もっと言えば、他人のシナリオを勝手に考え過ぎる事に対する嫌悪感かもしれない。

2012/05/12

Blue Mosque in Shah Alam

 KLのあるスランゴール州の西方にシャーアラムと言う街がある。それについては観光ガイドを見ればわかるので説明は割愛する。そこにある通称ブルーモスク、正式名称スルタン・サラディン・アブドゥル・アジズ・モスクと言い、1988年に完成したもので世界一大きなドームを持つことで知られる。

世界一大きなドームと言っても石積の時代の建築物では無く、鉄筋コンクリート時代であるので歴史の教科書に出てくるモスクと比較できるわけではない。ただ、大きなモスクを作ろうとする気持ちは同じだろうか。
 ドームの側面に書かれているのはコーランの一節。日本語では下のような意味になるそうだ。
 入り口部分にある庇。ここを歩いてドームの下に入ることになる。幾何学とイスラムは相性がとても良いようだ。これに似た形の物はマレーシアには多くある。

これを見て思い出すのは黒川紀章の手がけたKLIAだ。もちろん彼だってコンペ前にはこうした物を多く見たはずで、ある意味地元の人に親しみ易い形を黒川風に解釈して構造も合理的になるように描きなおしたのだと想像できる。マレーシアのコンテクストに従ったと言うのか、それともズルイと言うのかそれは考え方にもよるだろう。
 これが世界最大のドームの内部。8本の柱で支えられている。
 ドームの正面。正面はもちろんキブラの方向。つまりメッカを向いている。日本人の家は南向きであるけれども、それよりも正確に方向が決められている事に間違いはない。
 ステンドグラス。
 ドームを支えているのは8本の柱と書いたけれども、柱にはかなりの幅がある。ただ、この幅全てが柱の機能を果たしてはいない。多分ドームの真下の部分だけだろう。なぜならもちろん鉄筋コンクリート製だから。つまりその外周に向かう部分は昔の建築物のようなバットレスではないだろう。単にドーム周りの屋根を支えているものと思われる。
 ちなみにこのドーム・フロアの下にはさらに同じような床があって、天井は低いが同じようなお祈りの場所になっている。上下階には何の繋がりもない。理由は単に大人数を収容したいからだそう。

下は入り口近くにあるお清めの場所。決められた手順に従って頭から足まで洗い清めてからお祈りをする。入り口からすでに靴は禁止になっていることもあり、全区域とも床は清潔だった。
ところで、この写真を見るとお祈りはドーム下で行うように思うかもしれないが、イスラム教ではそれは定められていない。実はどこで行ってもかまわない。実際にモスクのドーム以外の通路のような場所でお祈りしている人もいるし、モスクの外であっても全くかまわない。

なら、何のためにモスクが?....それはまた別のお話なので調べてみて欲しい。

2012/04/01

現代のヒンドゥー建築

ヒンドゥー建築と言うと、遺跡を思い出してしまうかもしれません。

ですが、もちろんヒンドゥーは現存する宗教で、従って新しい寺院も多く建設されています。 今回はたまたまその様子を少しだけ見せていただきましたのでここにアルバムを載せておこうと思います。中国式のお廟の隣と言うのがいかにもマレーシアらしいところです。

マレーシアにあるヒンドゥー寺院の多くには寺院本体からその手前の門に至る大きな天井が付いています。これは本場インドでもそうであるのか私にはわかりません。そして何時頃からそれが付けられるようになったのかもわかりません。以前に取材したインドネシアのヒンドゥー寺院の遺跡にはありませんでした。

(アルバムは下の写真をクリックすると全部が見られます。)

1204 Hindu Temple under construction

2012/02/08

上海の風景


1202 上海

短期間、上海へ行っていましたのでアルバムを載せておきます。同じような写真、何だかわからない写真があります。