2012/06/10

旧王宮


1206 Royal Palace

自由を感じる宗教施設

 宗教が伝統の中にあると考えるのは日本人だけかもしれない。

以前、台湾にいたときに全部の宗教施設が鉄筋コンクリートのビルだった事に驚いた。もちろん川崎大師だって大林組による鉄筋コンクリート造には違いないが、巧妙にそれらしくなく演出されているのであまりコンクリートらしさを感じはしない。

が、台湾もマレーシアも宗教建築物の材質には特にこだわりが無いようだ。前の記事にある建築中のヒンドゥー寺院もそうであったように。
自動書記に使う道具。但し2人の男性が行う。
 さて、中を見てみると普通に中国寺院(廟)であって特に驚く事も無いようだ。

 ただ、天井を見上げるとその印象は全く異なる。何とも近代建築の便利さをフルに生かそうとしたようなこんな形状になっていて、変な意味で歓心する。
外へ出て屋根を見るとこんなに多くのデコレーションが海上の波が折り重なるような形で取り付けられている。あの中身の構造はこれをやりたかったためなのか、それとも本当に中の空間を確保したかったための物なのかどちらなのだろう? 形式よりもデコレーションが大事だろうか?
この中国寺院のすぐ向い側にはモスクがあってそちらも普通に鉄筋コンクリートの建物だ。あちらもドームとミナレットで遠くからでも何だかすぐにわかるようになっている。

近代建築を言うときにどれも似たような四角い箱状のものと評する事は多いけれども、実はもっと自由なのだとこれを見て変に納得しなくもない。(もっとも、巨匠達だったらそれは当たり前でしょう。)