progeCAD 2009 Smart!がリリースされた。
無料で使えますが商用版と機能は同じで私的な作業に使ってくださいとの事。自然災害関係へのチャリティ活動にも協力しているそうだ。DWG2.5~2009まで読み込みできると書いてある。
progeCAD 2009 Smart!のページ(クリック)
マンキーさんご指摘ありがとう。無料を無用と書き間違えてましたので修正しました。
新ブログ「もんく+a : reloaded」へ移行し、建築仲間Team OBASUの活動記録を投稿します。
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(2021年~)
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コンテンツ概要
2009~2013年:建築物と建築についての雑記です。
2007~2009年:大学の課題に関するノートです。
2009/11/19
2009/11/13
日本人は中古住宅には住めません
中古引っ越してた後にすべきことはいろいろある。
マレーシアの団地に引っ越してきた。ベッドもエアコンもテレビもシーリングファンも冷蔵庫も洗濯機もコンロも収納棚も一通り揃っていたので、後はトイレットペーパーや洗剤やシーツや枕やハンガーや食品や食器などの細々とした物だけ買って来れば住める。状況としてはそれで全く間違いはない。
ただ、中古物件と言うものは以前に誰かが住んでいたものであるからタイルの目地は真っ白ではないし、天井裏が多少カビ臭かったり水道の蛇口のメッキが薄くなっていたり水滴の痕もあり壁に鋲の痕やシミがあったり便座の表面は磨いた細かい傷で満たされている。そして何か得体の知れない臭いも残されているものだ。
住み始めた後は徐々にその部屋を使いながら他人の臭いを追い出しつつ自らの臭いでそこを満たしていくことになる。ドアの取っ手には自分の指紋が配水管には自分の皮脂と石鹸の混ざった滓がこびり付くだろう。壁のスイッチ周りは手垢で黒ずみ床にの隅には抜けた髪の毛が溜まる。そうして同じことの繰り返し。誰かの手垢に他人の手垢が重なり住宅は歳を重ねていく。
それは自然だ。
だが、愛妻さんはどうもそれを好まない。キッチン収納の扉を開けた時のちょっとした臭いやトイレの芳香剤と汚物の混ざった臭いほんのちょっとのカビ臭さを嫌う。収納棚にうっすらとあるシミや埃を嫌う。床タイルの目地の取れない黒ずみを嫌う。前に済んでいた誰かの残した全ての証拠を嫌う。人間のいた痕跡の全てを嫌う。残された食器はきれいであっても全て処分して新しい物を買う。キッチンで使うものは量産された新品のプラスチック製品を買う。人間の残した臭いを追い出すために化学薬品を充満させる。棚の中には発泡スチレンの防虫シートとプラスチックの容器で整理する。これは棚板に服が直接触れないためだ。こうした小さな努力によって誰かが触れたはずの部分に自分の身体や身に付ける物が触れなくて済むようにしているようなのだ。
彼女はたぶん一般的な日本の人である。こうした姿を見ていると我々日本人は中古住宅に住むことはできないのだろうと感じられる。いくら耐用年数の長いストックとしての住宅を造っても新しい住宅を選ぶのだろうし、万一中古を選んでもそれは予算の問題かテンポラリな用途として考えているためだけなのかも知れない。(調査に基づいて言っているのではない。)最近テレビでよく紹介される団地やマンションを再生する試みでも構造体以外の部分を全て新品に換えてしまって、つまりは以前に住んでいた他人の臭いも手垢も全て取り除くかそう言ったものに触れなくて済むようにほんのちょっと浮き上がった位置に住まわせる工夫が成されている。
日本人にとって住まいに歴史は不要なのだ。
マレーシアの団地に引っ越してきた。ベッドもエアコンもテレビもシーリングファンも冷蔵庫も洗濯機もコンロも収納棚も一通り揃っていたので、後はトイレットペーパーや洗剤やシーツや枕やハンガーや食品や食器などの細々とした物だけ買って来れば住める。状況としてはそれで全く間違いはない。
ただ、中古物件と言うものは以前に誰かが住んでいたものであるからタイルの目地は真っ白ではないし、天井裏が多少カビ臭かったり水道の蛇口のメッキが薄くなっていたり水滴の痕もあり壁に鋲の痕やシミがあったり便座の表面は磨いた細かい傷で満たされている。そして何か得体の知れない臭いも残されているものだ。
住み始めた後は徐々にその部屋を使いながら他人の臭いを追い出しつつ自らの臭いでそこを満たしていくことになる。ドアの取っ手には自分の指紋が配水管には自分の皮脂と石鹸の混ざった滓がこびり付くだろう。壁のスイッチ周りは手垢で黒ずみ床にの隅には抜けた髪の毛が溜まる。そうして同じことの繰り返し。誰かの手垢に他人の手垢が重なり住宅は歳を重ねていく。
それは自然だ。
だが、愛妻さんはどうもそれを好まない。キッチン収納の扉を開けた時のちょっとした臭いやトイレの芳香剤と汚物の混ざった臭いほんのちょっとのカビ臭さを嫌う。収納棚にうっすらとあるシミや埃を嫌う。床タイルの目地の取れない黒ずみを嫌う。前に済んでいた誰かの残した全ての証拠を嫌う。人間のいた痕跡の全てを嫌う。残された食器はきれいであっても全て処分して新しい物を買う。キッチンで使うものは量産された新品のプラスチック製品を買う。人間の残した臭いを追い出すために化学薬品を充満させる。棚の中には発泡スチレンの防虫シートとプラスチックの容器で整理する。これは棚板に服が直接触れないためだ。こうした小さな努力によって誰かが触れたはずの部分に自分の身体や身に付ける物が触れなくて済むようにしているようなのだ。
彼女はたぶん一般的な日本の人である。こうした姿を見ていると我々日本人は中古住宅に住むことはできないのだろうと感じられる。いくら耐用年数の長いストックとしての住宅を造っても新しい住宅を選ぶのだろうし、万一中古を選んでもそれは予算の問題かテンポラリな用途として考えているためだけなのかも知れない。(調査に基づいて言っているのではない。)最近テレビでよく紹介される団地やマンションを再生する試みでも構造体以外の部分を全て新品に換えてしまって、つまりは以前に住んでいた他人の臭いも手垢も全て取り除くかそう言ったものに触れなくて済むようにほんのちょっと浮き上がった位置に住まわせる工夫が成されている。
日本人にとって住まいに歴史は不要なのだ。
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